2010年01月19日

喘息の発作時、喘鳴(ぜんめい)が息を吐くときに聞かれる理由

喘息と喘鳴・症状について→
http://drenu.sblo.jp/article/461952.html

にもあるとおり、基本的には喘息の場合、
主に息を吐くとき(呼気時)に喘鳴、呼吸困難が生じます。


というのも、喘鳴というのは、空気の通り道(気道)が
狭くなって、そこを空気が通るときに
「笛の原理で」音が鳴るものだからです。


息を吸うときは肺が大きくなり、
息を吐くときには肺が小さくなっていく。


というわけで、息を吸うときと吐くときでは、
吐くときの方が(肺が小さくなる分)気道も狭くなるのです。


そうすると、吐くときの方が、音が鳴りやすくなる。

このため、息を吐くとき(呼気時)に
喘鳴、呼吸困難が生じる、と言われているのです。


もちろん、強い発作の時には
吸気にも、呼気にも喘鳴が聞こえます。



また、気道が一部ふさがってしまうような
強い発作では、全く音が聞こえなくなることもあるのです。

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posted by ドクターN at 18:36 | Comment(3) | 喘息のさまざまな症状についての記事

2006年08月11日

喘鳴がなければ発作ではない? 医師はどこを診ているのか

今日はメルマガの内容を取り上げます。

よく、苦しい、あるいは苦しそうだけれど喘鳴(ぜいぜい)がない、
これは喘息ではないのか、と尋ねられます。

答えは、「診察しないとわからない」。

なぜか。通常喘息の場合、気管支の壁が分厚くなり、
空気の通り道が狭くなることで喘鳴が起きます。

空気の通り道が狭く、細くなって
(笛の原理で)音がしているのです。


太い気管支の場合はそうなのですが、
末梢気道(気管支の端っこの方)は、
直径が1mmにも満たない、とっても細いものです。


それで、末梢気道のような細い気管支は
痰が分泌されるだけで簡単に詰まってしまいます。

詰まってしまうと、空気は通りません。
 

ということは、そこでは音はでないのです。

痰が切れるようになって出だすと
細い気道に空気が通るようになりますから、
喘鳴が出てくるようになります。


発作が強い間は喘鳴がなく、
痰が切れて少し症状が和らいでから
喘鳴が出てくることもあるのです。

ですから、強い発作→喘鳴がないこともある
喘鳴がある→強い発作とは限らない
となります。




聴診器は、身体の中の音を拡大して
聞けるようにしたものです。


聴診器なしでもぜいぜいが聞こえることがありますが、
聴診器を使って初めて聞こえることもあります。


もちろん、医師は聴診器で喘鳴が聞こえるかどうかを
診断や今の状態を判断する根拠の一つにしています。

しかし、それがすべてではありません。

本人の「苦しい」「息がしにくい」といった症状、
顔色や息の仕方など、総合的に判断します。


客観的な数字としては、肺機能やピークフローなども
大いに参考になります。

最近では体内の酸素量を簡単に測れるように
なりましたから、重症の場合はすぐわかります。


こういったことのすべてを医師は総合的に判断しています。

家庭では、発作なのか?どうなのか?
判断が出来ないことも決して少なくないと思います。



1つの判断材料として気管支拡張薬を使ってみる、
というやり方は比較的わかりやすいです。

 http://drenu.sblo.jp/article/461952.html
 http://drenu.sblo.jp/article/657867.html


でも、末梢気道が詰まっている場合、
肝心の詰まっているところに吸入薬が届かず、
効果が出ないこともあるのです。


ですから、「苦しい」「息がしにくい」などの症状があり
発作かどうかの判断に迷うときは、医師の診察を受けるのが
安心だと思います。



問題は、そういうことを知らない医師が
少なくないということです。

子供でも大人でも、呼吸器を専門とする医師でなければ
そこまでは知られていないのが現状です。


ですから、少しでも呼吸器専門医の数を
増やす必要があるのです。

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2006年05月25日

喘息で血痰が出ることはあるの?

喘息で痰に血が混じることがあるのでしょうか。


血が出る、というのは何となく大ごとのような気がしますが、
実際のところはどうなんでしょうか。


痰に限らず尿に血が混じる血尿・便に血が混じる血便など、
血が出ると驚いてしまいます。


いずれの場合も、血が出る原因は
「その経路のどこかで出血している」
ということです。


痰の場合、血が出る可能性のある場所は


  • 肺の中

  • 気管支

  • 咽頭と喉頭(のど)

  • 鼻の粘膜と副鼻腔

  • 口の中



のどこかです。これ以外にはありません。
意外に多いのが鼻や口の中なんですね…。


もしこれまでに 鼻の症状があるなら、
鼻炎や副鼻腔炎による後鼻漏が合併している可能性があります。


後鼻漏について、詳しくは過去ブログをみてください。
     ↓↓↓
http://drenu.sblo.jp/article/470908.html


なお、喘息だけでは痰に血が混じることはまずありません。
よくあるのは上のように鼻の粘膜からの出血です。


しかし、もちろん結核や肺癌など、
聞くだけでも恐ろしい病気でも血痰がでるのです。


ですから決してご自分で判断されず、
必ず医療機関で痰などの検査を受けるようにしてください。


あまりきれいな話ではありませんが、痰の検査のコツを書きます。


痰は、細菌が混じらないように病院でもらった無菌の
専用の容器に入れて提出します。


よく「こんなんでました」と言って
ティッシュなどに包んで持って来て頂きますが…。


清潔そうに見えてもティッシュなどには
細菌がたくさんいますのですぐに腐ってしまい、検査ができません。


また、痰をとるときは、朝一番でうがいをして、
のどに引っかかったものを痰の容器に直接出すようにします。


とれた痰は半日もたつと腐って検査の役に立たなくなるので、
朝出た痰は昼までに持って行きましょう。


「いい痰」とは、透明ではなく黄色や黒っぽい、あるいは
血の混じった濃い部分が多いものです。


つばのような透明な部分だけのものは、
あまり診断の役に立ちませんので注意が必要です。
 

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posted by ドクターN at 21:48 | Comment(0) | 喘息のさまざまな症状についての記事

2006年05月08日

喘息の症状・喘鳴・咳・呼吸困難

まず、「喘息とは何か」「何を喘息とするのか」ということ。
これははっきりしています。


■ 気管支の中の空気の通り道(気道)が狭くなる。
■ 狭くなった気管支は元通り広がる。
(気管支拡張薬を使うと、速やかに広がります)


これだけです。


つまり、気道が狭くなる。それは元通りになる。
これを喘息というのです。元通りになるというのがミソです。


気道が狭くなるだけでは喘息かどうかわかりません。
気管支拡張薬が効くというのが喘息です。


喘息の症状はいろいろあります。
気道が狭くなることで起こる症状ですから、思いつくだけでも、


  • 喘鳴(ぜんめい:ぜいぜい、ひゅーひゅーといった音がすること)

  • 咳・痰

  • 息苦しさ(呼吸困難感)

  • 息のしにくい感じ

  • ピークフローの低下
 


などなど、どれも喘息の症状です。
どの症状があるから喘息、とは言えません。


逆に、どの症状がないから喘息でない、とも言えません。


咳だけの喘息の人もいます。
何となく息苦しいだけの人もいます。
もちろんぜいぜいいう人もいるわけです。


大事なことは、どの症状をとってみても、
気管支拡張薬を使うと良くなる、という点です。


逆に言うと、気管支拡張薬を使って良くなるような症状が
喘息の症状なのです。


上にあげたような症状があり、気管支拡張薬を日に何回も
使う必要があるならば、コントローラー(吸入ステロイド)を使う、
または増やす必要があるわけです。


ところが多くの方の場合、診察の時にそのような症状があったり、
喘鳴が聞こえたり、ということはないんです。


どうしてかというと、喘息の症状は夜に多かったり、
運動したときなどに多かったりするからです。


それでなかなか症状が主治医に伝わらない、
という方には「喘息日記」がお薦めです。

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posted by ドクターN at 00:24 | Comment(0) | 喘息のさまざまな症状についての記事

2006年04月16日

鼻汁(鼻水)・痰・下痢について

鼻汁(鼻水)は水から出来ています。


人間の身体は70%が水分といわれています。
血液もほとんどが水分からできています。


身体から分泌される液体(尿・汗・唾液・痰・涙液・そして鼻汁など)
は全て、血液が何らかの形で変化したものであり、
大元は水分から出来ています。


水分を摂りすぎた場合、余分な水分は腎臓から尿として排泄されます。


尿以外の液体の分泌量については、体内の水分量と
必ずしも関係が深いわけではありません。


必要なときに多く分泌され、必要でないときには分泌は抑えられます。


例えば涙。


悲しい・うれしい・その他、感極まったときに涙は分泌されます。
これはよくご存じの通りです。


でも水を飲みすぎたときに涙が出るわけではありませんね。
逆に、多少水を飲んでいなくても、涙が必要なときにはきちんと出ます。


そこで鼻汁ですが、これは風邪や鼻炎といった
鼻の炎症の「結果」分泌されて出てくるものです。


多くの喘息患者さんは


風邪をひく→鼻汁が出る→喘息発作で苦しくなる→咳と痰が出て治まる


という経過をたどられるようです。この症状だけを見ると、
鼻汁が出るからしんどくなった、咳と痰が切れれば楽になる、
と思われるでしょう。


鼻汁さえでなければ喘息発作は起きない。
痰さえ出ればぜんそくは楽になる。


そんな風に思われるかも知れません。


しかし実際に体の中で起こっていることはもう少し複雑です。


風邪をひく
→鼻などの粘膜に炎症
→感染をきっかけに気管支粘膜の炎症が悪化
→喘息が悪化

→風邪が治る
→喘息も改善
→気管支の炎症が改善
→痰が切れやすくなる
→治る


つまり、鼻汁も痰も、体の中で起こっている炎症の結果に過ぎないのです。

 
鼻汁や痰を抑えれば喘息が良くなるのでなく、
喘息(や風邪)が良くなるから
鼻汁が減って、痰が切れやすくなるのです。


───────────────────────────────────


これと同じようなことが、食あたりで起こる下痢でも言えるのです。


下痢が起こったとき、皆さんはどうしてますか?


水分を摂ると余計下痢がひどくなる、
と思って水分を摂らないようにしていませんか?


それはいけません。


下痢というのは、細菌やウイルスといった病原性の微生物を
身体の外に出すための身体の防御反応なのです。


下痢を止めてしまうと、微生物や毒素が
体外に出にくくなり、治るのが遅れます。


ですので(感染性の)下痢の時には、
どんどん水分を摂ってどんどん下痢をする方が早く治ります。


下痢を止めるお薬も、あまり使わない方が良いのです。
整腸剤などで腸内細菌を整える治療を中心に行います。


ただし感染によらない下痢もあります。
その場合は上で書いたことは当てはまりませんので、
注意が必要です。


そのあたりの判断は医師の診察を受けて頂くのがよいでしょう。

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posted by ドクターN at 08:32 | Comment(0) | 喘息のさまざまな症状についての記事

2006年03月16日

喘息と後鼻漏

喘息と後鼻漏の関係を取り上げます。


「後鼻漏」とは、アレルギー性鼻炎や花粉症、副鼻腔炎(蓄膿症)に
よって作られた鼻汁が、少しずつ鼻の後ろから咽喉頭(のど)に流れ、
その刺激で咳が出る状態です。


ですから一つの病気ではなく、いろいろな病気によって
起こった状態を指します。


よくある症状は、鼻汁や鼻閉(鼻づまり)の症状とともに
咳や「のどのいがいがした感じ」です。


前の鼻の穴から鼻汁がでないと鼻の症状として感じないことも多く、
のどに流れ込んだ鼻汁を「たんが増えた」というふうに
感じることもあります。


「たんが多い。咳が出る」という症状から、
後鼻漏はしばしばぜんそくという診断をされることもあります。


また、喘息患者さんが鼻炎も併発すると後鼻漏が起こるため、
初めて診察する患者さんですと診断、治療に難儀することもあります。


あまりそういう患者さんを診察したことのない医師だとなおさらです。


喘息と後鼻漏を見分けるポイントは、喘息には効果のある
気管支拡張薬や吸入ステロイドが後鼻漏には全く効果がない点です。


ですから「喘息」との診断で薬を使っているのになかなか症状が
良くならない場合、後鼻漏のある、または併発している可能性も
考える必要があります。


喘息も後鼻漏も、レントゲンでは何も異常は見られません。


これらを診断するための検査は、肺機能検査や鼻の検査、
薬剤吸入試験などです。しかしこれらは開業医レベルでの施行は困難です。


薬剤吸入試験は大学病院クラスでないとしていないと思います。


検査を行わなくても、薬を使ってみて効果を確認する、
というやり方で診断することは可能です(効果を見るため
診断には時間がかかりますが)。


主治医に日頃からしっかり症状を伝える必要がありますね。

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